「せかいのおきく」、観てきました。
朝一ということもあって、お客さんは僕を含めて8人。
ゴールデンウィークの家族連れには選ばれないでしょうし、僕自身、友人の勧めで観ましたが、もしかすると勧められなければ存在自体を知らなかったかもしれません。
観終わって、映画になにを求めるかによって評価が大きく割れる映画だろうな、と思いました。
で、肝心な僕自身の評価としては、「好きな映画」ですね。
登場人物がみんないい。
大きな見せ場がある訳でもないのに、ちゃんと味わいがあって、心に残る。
「気鋭の日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が協力して、様々な時代の「良い日」に生きる人々を描き「映画」で伝えていくYOIHI PROJECTの第一弾作品です。」
この点、「看板に偽りなし」だったと思います。
例えばこれが自然科学者ではなく歴史学者といった人文系の学者であったらと考えると、正直「人間への信頼」という点でこの映画はちょっと楽観的過ぎる気はします。
江戸時代を描いていながら、そこに居る人達はみんなZ世代、みたいな(^_^;)
でも、それがこの映画の魅力であり、伝えたいメッセージなんだろうと思います。
そして、それは意味のあることなんだろうとも思いました。
僕は眞木蔵人さんの演じた孝順というお坊さんが特にお気に入りです。
「役割」という言葉について、彼が語ったことは、ChatGPTに代表されるジェネレーティブAIの台頭によって「人間の価値」が揺らいでいる今の僕らに「本当に大事なこと」を端的に教えてくれた気がします。
岡田斗司夫氏曰くの「体液を流させる映画」ではないです。
観終わった後にジワリと暖かくなる、そんな映画でした。