柄にもなくドラマなんぞをお薦めしようと思った話し

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知っている人はとうの昔に知っている、お薦めするにはイマサラなタイミングですが。

 

久々にドラマに嵌まっていたります。

 

1984年の中学1年生という時代設定は僕とは丁度2つ違い。3年生としてギリギリ同じ中学というステージに居たわけです。

 

正直に言えば、中学生時代は自分にとってもっと暗い暗黒時代でしたし、給食が好きで堪らなかった訳ではないのです。



では、なぜこのドラマに惹かれたのかと言えば、主人公の一人である教師、甘利田幸男の存在ですね。

 

役者さんの名前云々とか役名と自分の名前が一字被っているとか、そう言う話しでは無く、この人、と言うかこのキャラ、人生が辛かった20代、30代の私そっくりでして。



僕は教師では無かったのですが、「大人とは、~というものである」という雁字搦めの硬直的な思考とか、周囲を意識して格好つけているつもりなのに傍から見ると奇行の限りを尽くしているところとか、母親がメシマズで外食経験も乏しくて社会人になってから「この世にこんなに旨いものがあるのか!」の連続だったところまでよく似ています。



違うところは彼が自分の教え子に対しても、割と素直に負けを認めて反省するところとか、自分と他人の間に明確な踏み込んではいけないラインを心得ているところでしょうか。

 

彼のように出来ているかどうかは自分では判断できませんが、幸いなことに今の僕は「そうありたい」と思えるようにはなっています。



ドラマそのものの評価という点で言えば、確信犯的な「孤独のグルメ」オマージュとか、甘利田幸男役の市原隼人の文字通り肉体を張った人によってはやり過ぎと捉えられるようなコメディアクションとか、もう一人の主人公神野ゴウ役の佐藤大志の「顔芸」とか、正直に言えば好き嫌いがハッキリ分かれるんじゃないでしょうか。



まあ、そうは言っても「同時代人」の皆さんにとっては割と忠実に再現されている当時の給食事情だけでも見る価値あり、かな?と思っていたりします。



さて、給食という点では割と時代考証が出来ていると思われるこの作品ですが、実は一点考証無視なんじゃないかと思える点がありまして。

 

甘利田幸男と言う教師のキャラのなせるワザか、たまたまそう言う地域性だったのか、特にシーズン1の舞台である常節中学校は、他人とのほどよい距離感が出来ているんですよね。キャラ的にいじめっ子になりそうな子も、いかにも鈍くさそうな子も、突拍子もないことを思いついては横並びを無視して思いつきを実行してしまう神野ゴウも、なにより給食のたびに奇行に走る甘利田幸男もみんなほどよく放っておかれている。

 

僕がこのドラマに嵌まったのも、まずその空気感が心地よかったからなのかもしれません。



Amazon嫌いなので薦めたくは無いのですが、プライム会員の方はシーズン1から観ることができますよ。