2021年を振り返ってみたはなし ~古武術編~

「武神館」という古武術の道場が近所にありまして。

 実はかつてネトゲ廃人をやっていたころに重度の五十肩に見舞われて以来通っていた「腱引き」という整体?治療術の施術者の方が道場の師範でして、その流れだったりします。

 

 厳密に言えば2020年の12月から始めているのですが、2020年中は月謝を払わない「お試し期間」だったので実質2021年からと言って良いでしょう。


 僕自身は武道と言う点では高校、大学と弓道を続けていたとは言え格闘には全く縁が無く、友人の結婚式の余興で踊りを披露すれば一人だけ全く違う動作をして意図せず笑いを取ったり「真面目にやれよ」と仲間にガチ切れされたりするような、絶望的に体の使い方のセンスがない人間だったりします。


 この武神館、誤解を恐れずに言ってしまうと「古流武術のごった煮」でして、投げ技・関節技・打撃といった体術、武器術で言えば剣(居合い含む)、六尺棒半棒、杖、槍、矛、短刀と言った一般的?なものから手裏剣や分銅と言った暗器(暗殺用の隠し持つ武器)の類いや、十手や縄を使った捕縛術に至るまで、リアルに「なんでもあり」だったりします。

 受け身や組み手の型といった基礎になる動作はあるものの一回1時間半の稽古を週一、二回ペースで受けていては全ての技術を一通り触るだけで何年かかるか判らないぐらいのボリュームがあります。

 当然のことながら毎回のように「新しい課題」が出てきてただでさえ絶望的にセンスも記憶力もない僕についていけるわけもなく、永遠に初心者状態から抜けられそうにありません。


 そんな状況ですが、新しくなにかを学ぶこと自体が脳に必要な刺激と言うことで言えば、マンネリとは無縁のこの状況はある意味理想的です。

 

 また全く新しいことをやっているように見えて、実はそれぞれの動作に通底する体の使い方の法則のようなものがあって、「体の使い方のOSのようなもの」をいろんなパターンに当てはめて学ぶことで状況に合わせた「応用力」を学ぶことが終局的な目標だったりします。


 少人数体制の中で僕が一番新入りかつ下手っぴという状況が今のところ続いており、師範のみならず先輩の皆さんからも指導を受け続けている訳で、ありがたいことに学ぶという意味では大変コスパの良い状況が続いています。無駄な自尊心に足を引っ張られなければ理想的と言っても良いぐらいです。


 そんな訳で、僕が「達人」になることは永遠にないと思いますが、続けている限りは伸び代は幾らでも見つかるし、カメの歩みでもほんの少しずつはどこかを伸ばし続けることが出来るんじゃないかと思っています。