6月の下旬頃の話になるので、もうそろそろ二月も前の話なんですけど。
隣町との間にある細い道を車で走っていたらちょうどタイヤがはまり込むぐらいのサイズの陥没がありまして。
ヤバイと思ったんですけど、細い道が更に細くなっていて、割と道の真ん中にあったり、日も陰ってきていて気付くのが遅かったりして除け切れずに嵌まったらタイヤがパンクしましてorz
で、翌日に中津スバルでタイヤを買うことになったわけです。
僕が乗っているR1はサイズも特殊なんで取り寄せになるかなと思ったんですけど、その日のうちに換えてくれることになったのは良かったんですが、結構時間がかかりまして。
その日はフェアみたいなことをやっていて整備部が忙しかったのかもしれません。
お昼の0時半ぐらいから作業終わったと連絡頂いたのが多分2時半過ぎくらいかな。
ただまあ、色々催し物もありまして、勿体なくも社長さんに運転席に座って頂いて直々に解説していただきながらのeye-sightの体験とかもさせてもらったり。
その催し物の一環で「望遠鏡の使い方講座」なんてのもありまして。
なんでディーラーで望遠鏡?社長も個性的な人だし、お友達なんだろうか?なんてちょっと遠巻きにしていたのですが、催し物も一巡してしまって、ちょっと時間潰すのが辛いぜ、隣のファミマで立ち読みでもしていようか、なんて思っていたときでしたから、居場所があるだけでも良いかなと思って話しを聞き始めたわけです。
で、聞いてみたら小さな望遠鏡メーカーの社長さんで、内容は自社製品の使い方なんですよ。SUBARUが自社ブランドイメージ構築の一環としてアウトドア系グッズのメーカーとタイアップしてSUBARUブランド付けた商品を出したりしている、マウンテンバイクとかその一環として、共同開発製品だしているみたいななんですね。その縁でってことらしいです。
なんで中津スバルで望遠鏡?の理由は判ったものの、天体観察に興味があるわけじゃなし、その上自社製品のCMかーと、
「ヤラレタカ?」
なんて一瞬思ったんですけど。
さすがにその場で売りつけられることもあるまいし、どうせ時間つぶしなんで内容はどうでも良いかなーと思って大人しく聞いていました。
望遠鏡の使い方といってもそうそう時間を使えるほど複雑なことがあるわけでもなく、特にその人が説明に使っていたのは1万円台の自社製品の中でも一番シンプルな子ども向けのモデルでしたし。
メッチャシンプルで、これ、実際見たいものが見えるのかな?と思ったりもしたんですけど、その本筋の部分だけで言うと、
1 スマホのアプリに良いのがあるので目的の天体物がどこにあるのかアプリで探します。
2 おおよそ位置が掴めたら銃眼のような肉眼で位置合わせする機構があるのでそれ使って合わせます。
3 台座は割と安定しているので肉眼で合わせたそのままずれないようにレンズを覗き込みます。
と、手順もシンプルで、当然本筋部分だけだとすぐに終わってしまう。
参加者全員、昼間なので天体とはいきませんがちょっと遠目の目標物に照準を合わせるところまでやっても20分ぐらいのものでしょうか。
で、なんとなく場は暖まってるけどもう終わり?みたいな感じになってしまって、そこから社長さんはパソコンの中に蓄えている写真ネタにしたり、自分の持ちネタ持ち出したりしてそれこそ場つなぎというか、時間つぶしを始めたわけです。
そしたら、まあそっちの方が面白くて。
小さな会社の社長さんが自分の仕事に熱を持っているって言うのは当たり前のことではあるんでしょうけど、望遠鏡に対する哲学まず熱い。
子ども向け製品だからこそ、子どもが使えるシンプルなもので、可能な限り安く、でも本質的な部分にはしっかりお金をかけて、安くても「ちゃんと見える」ことを大事にしている。
本質的な部分というのは、例えばレンズの光学性能だったり、筒内部の処理をしっかりして内部で光が乱反射しないようにしたり、シンプルで子どもが持てるほど軽いけど、一度合わせたら微妙にズレたりしない台座だったり。
ホームセンターには下手すると1万円を切る、もうちょっと外観がカッコイイ製品もあったりするし、例えば判りやすい「倍率」みたいな数字でアピールしていたりするけど、望遠鏡には性能のバランスの良し悪しがあって、倍率が高くてもレンズの性能が伴っていなかったり、筒内部の処理がしていなくて見たい天体の発する光以外の光が乱反射してしまってハレーション起こして見えにくくなってしまったり、台座の固定がお粗末だと目的にたどり着いて観察するところまでの手順が実用的と言うか現実的じゃ無くなってしまったりなんてことも。
と言うような話しから
そもそも子ども用に拘っているのは小学生時代に学校の近くに望遠鏡メーカーがあって、生徒に本格的な望遠鏡の貸し出しをしてくれたことや、その経験から同級生の中から色んな道で宇宙に関わる人材がでてきたことがあって、そういう環境を作りたかったから、とか。
長野県の天文台から処分を依頼された古い望遠鏡が「伝説の名人」が磨いたレンズと、戦後に航空産業が禁止されたことでダブついて出回ったジュラルミン素材を使った「逸品」であることを見抜いて、レンズだけ転売しても結構な利益が出るはずだったところ、利益度外視でその望遠鏡を「再生」したエピソードなんてのも。
連載(2)【1万円で買える天体望遠鏡】比較レビュー | 天リフOriginal
長々書いてきましたけど、その人、↑ この記事で一番良いよってお薦めされている製品のメーカーの社長さんでした。
「火星の接近」なんて天文イベントがあった影響でここしばらくは転売屋の皆さんしか取り扱っていなくて10倍以上の値段で出品されていたりもしたらしいです。
実は話しを聞いてからああいう話しだったけど、実際の望遠鏡界隈の状況はどうなん?と思って自分なりにチョロッと調べたりしたんですが、結構低価格でも日本のメーカーもあって、中にはスマホで見たい星をスマホで制御してくれる、なんて製品もあったりするみたいです。
そんな市場環境の中、例えばAmazonに掲載される商品スペックとしては特に「これが売り」と思える表記もない商品が天文界隈の実際使っているユーザーに支持されて、イベントが発生したときには鼻が利く転売屋の餌食にもなるのも、ある意味価値を認められている証拠かな、と。
ぶっちゃけ、こういう製品の価値は実際自分が「外れ」を引いた経験が無いとなかなか計れないものかもしれません。言うても低価格な子ども向け製品ですから、「見える」ことが当たり前だと思えば、他の製品を見たときに「ちょっと足せばあんな機能もついているんだな」なんて思ったりもするかも。
なんて、色んなことを考えつつ、私も正直「買ってみたいと思うけど、実際使うのかなー」なんてことも思ったりして躊躇っていたんですが、一度在庫が捌けてしまうと「買っとけばよかったorz」感に苛まれているところです(^_^;)
シンプルな商品でもスマホのカメラを繋げるアダプター(別売りオプション)もあって、お手軽に月の写真なんか撮れるそうです。届いたらその辺までは試してみたいなーと。
そろそろ小学生になる姪もいるので、今のところは自分含めて周囲の大人から無尽蔵に買い与えられたオモチャでチョコッと遊んですぐ飽きちゃうみたいなことを繰り返している彼女に、リアルな経験をすることやホンモノに触れることの楽しさを味わう一つの機会を提供できればなーなんて夢想したりもします。
まだ早いかもしれないですけど、いずれそういう興味が湧いたときに「安いけどちゃんとつかえるのもあるし、使い方も教えてあげるよー」と言えるぐらいにはなっておきたい、なんて(^_^;)
と言う訳で、早く在庫が復活してくれないかなーと指をくわえていたりするのでした。
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