八つ当たりのコストに関する事例と考察。

前振り(と言う名の言い訳)

 

コミュニケーションとは情報の流通である、と思っています。

他にもいろんな見方が出来ると思いますが、私は大筋でそう理解しています。

 

流通であるからには、可能な限り障壁を無くしてスムースに行われることが望ましい。

まあ、例えばテレビを際限なく起きている間ずっと見ている、とか、仕事もせずにネットサーフィンしまくり続ける、なんて状況でも情報は流通しまくってるようにおもえるのですが、そういった場合は流れている情報の価値そのものがジャンクである、ことも可能性としてはあるんですが、そうでなくても受け取る側の姿勢の結果としてどうしても受け取った情報がジャンクになってしまいがちだと言うことがあるんじゃないかと思っています。

 

ちゃんと勉強するとか、人の話を真摯に聞くとか、受動的な知識であっても読書という整理された知識を時間と余裕を確保した上で受け止めるとか。

情報の価値というものは受け取る側の姿勢であったり、入ってきた情報の処理の仕方にであったりによってある程度決まるという側面もあると思います(実はADHDの一番問題な点はこの入ってくる情報の処理が出来ない点にあるのではないかと思ったりしますが、その点についてはまた別のお話で。

 

 

さて、この受け取る側の姿勢というのは一つのコミュニケーションに対しての障壁となり得るのかもしれません。他にはどんなことがあるでしょうか?

 

 

時間や距離によって発生する「物理的な情報との隔絶」というのは大きいでしょうね。

防災、居住環境、経済的競争圧力の大きさと言ったデメリットを超えて多くの人が都会に住むメリットを享受することを選択する一番大きな点はこの障壁を限りなく小さくする効果があるからだと思います。最も一般的に考えられるものですが、逆に言えばこの障壁があったればこそ人間は平穏に身の丈に合った生活が(かつては)できていた、なんて皮肉なことも言えてしまうのかもしれません、が、これもまた別の話ですね。

 

 

情報源と隣接していてもそれが活かされない場面もあります。

例えば、

 いわゆる風通しの悪い職場。

 相互に無関心な家族。

 一方的に先生がまくし立てるだけの教室。

 

情報の流通が存立理由そのものであるような組織であっても大きな障壁が存在する事例を拾うことは我々にとって容易なことなのではないでしょうか?

 

具体的に物理面以外のなにが障壁として作用しているのか。

考えられる候補は、実は日本人の美徳の多くとも重なります。

「気遣い」「思いやり」「配慮」「空気を読む」「以心伝心」

一見テレパス的な情報共有手段も含まれているのでは?と思われる方もみえるかもしれませんが、どれも「通じている」という幻想が相互に(或いは片方に)存在する状況を指しているだけです。言葉にしても身振り手振りにしても文字にしても、伝達手段を使っても正確に伝わらない物がなにもないまま伝わってるわけがありません。

村社会という一見緊密な人間関係にあって都会以上に有益な情報の流通が阻害されうるなんてことは我々実際田舎に住んでいる人間が日々現実に体験していることだったりします。が、これについても今回のテーマからはずれますので、また別のお話として取り上げたいと思います。参考図書としては最近取り上げる機会の多いこれですね。

 

 

今回お話ししたいのは、私が個人的にもっとも問題視し、可能な限り無くしたいと思っている障壁である、「怒り」についてであります。(ヤットカヨ

 

怒りとは防御のための反応だ、という考え方があります。

一見攻撃的なものにみえますが、言ってみれば怒りとはヤマアラシのとげとかスカンクのガスのようなものです。

 

怒りはその瞬間には「攻撃」ですが、本質としては怒りの主が実現しようとする意志は Leave me alone. という3文字に集約されます。まあ、日本語なら「放っておいてくれ」の一言で済みますけどね。

 

それこそ「ヤマアラシのジレンマ」という哲学上の命題のようなものがありまして、放っていて欲しいと思うのはその瞬間のことですぐに人寂しくなってしまうということも人類にはアルアルな不具合であります。さる若くして亡くなった私と同郷の創作家はそんな心理状況に陥りがちな人のありさまを指す「人類ネコ科」という秀逸な言葉を残されたりしました。

 

が、残念ながら人類の多くはネコのごとく狡猾なチャームの能力を獲得するには至っていないので、自分の都合で放っておかれる人は大抵「なでて欲しい」ときも放っておかれる運命にあることが多いようです。

 

「放っておいて欲しい」という意志の表示ほどコミュニケーションの障壁になることは無い。下記のエントリーで取り上げた事例に真逆に作用する存在と言っても良いかもしれません。

 

ukkiemf.hatenablog.com

 

 

 ADHDであることと結びつけられる、とかつて担当するカウンセラー氏に言われたことがあるのですが、私には「早とちり」という悪癖があり、それにともない「八つ当たり」をしてしまうことがしばしばあります。

 

なにせ人の話を最後まで聞かない、いや聞けない。

リニアに出力された情報をリニアに入力、処理するので、特に日本語との相性は良くないのでないかと思います。

現在に至るも日本語では一番大切な文章の趣旨は文末を聞かないと解き明かされない構造になっておりますから。

 

私もただADHDだからと言って諦めているわけでは無く、そもそも必要以上に感情を表に出さないようにしたり、例え怒りに触れるようなことでも務めて冷静にその事実を指摘するに留めるようにしたり、職責上自分より下に居る人にも叱責では無く指導、指摘をすることを心がけたりしているつもりです。

 

この辺はマインドフルネスという考え方と直結する部分ではないかと思いますが、心がければできることでもなく、体調、それに伴う認知能力、ストレス状況など、いわゆるコンディションを整えることでやっと実現されることであると理解しています。

 

一朝一夕になせることでは無く、日々の鍛錬や節制、調心が結果として表れると言うことになります。

 

少なくとも私に取っては押さえ込みたいけど難しいことなんだよってことですね。

 

この「八つ当たり」ってやつは「怒り」の中でも最も害を為す度合いの高い存在だと思います。

無実の罪を罰する訳ですし、やってしまった方としてはただでさえ人として恥ずかしい

「怒り」を勘違いに基づいて爆発させるわけです。

式にしたら

「相手への被害」+「自分の周囲の情報流通を阻害する障壁の構築」+「自尊心への大ダメージ」

でしょうか。(しなけりゃ良かったorz

 

本題 

さて、やっと本題です(^_^;)

 

今週は土曜日に休日出勤がありまして。

丸々一日と翌日曜日も30分ぐらい出勤したんですね。ま、日曜日分はまともに計算すると面倒なことになるんでサビ残なんですけど。

で、土曜日の代休を今日取ろうと思っていたら想定外の来客予定が午後に入ってしまったので、午前のみの休みになったんですね(自分の判断です。

午前休というのはなかなか有効に使うのが難しいのは私が朝に弱いからなんですけど、そうは言っても色々処理しなければならないことも溜まっていて、かなり忙しく動き回っていたのです。なんとか午前中に全部こなしきれるかなーと思っていたら、もう一手間取らなければならないことが判ったのが12時過ぎぐらい。もう一手間に至る過程でかなり苛つくような事情(いわゆるお役所で陥りがちな不条理というやつです)があったのと、13時の午後の就業時間に間に合わせなきゃならないことでちょっと心がかき乱されていたわけです。

 

そんな状況で、職場からの電話が携帯にかかったんですね。

もう、いやーな予感しかしないわけです。こういうときにアレコレ考えずに現実を受け止められればいいんですけど、私にはいろんなシナリオを想定して事前シミュレーションをしてしまうという悪癖がありまして(最もマインドフルネスからかけ離れた行為ですね。

 

このケースだと

・午後から来るはずだった来客が前倒しで来ちゃってボスもいないからどうしましょう?という「ガキの使い」的な指示依頼。

・仕事で見つかった疑問点がどうにも解消しなくて、数十分も経てば私が出勤することを忘れてかけてきた「早とちり」。

・あと数十分も待てないような致命的なミスが見つかって10分でも前倒しで来いという業務命令。(受け止め方次第ですけど、そこまで重要な仕事はしていないんですけどね。ま、他の人はそう考えている可能性があるということです。

以上の3点ぐらいでしょうか。オッズは上に行くほど高くて60%、38%、2%ぐらいかなーってところです。

 

電話の主がボスだったらまだ良かったんですけど、若手の同僚であるサワヤカ君でした。

 サワヤカ君については下記の投稿にて言及しております。

ukkiemf.hatenablog.com

 サワヤカ君の声を聞いた瞬間に付加情報が脳内から提示されます。

 

このサワヤカ君、とにかく自分の不安を解消することを最優先してしまう悪癖があるようで、例えば事務所内で確認すれば判るようなことを他の部署に異動した前任者に電話で聞いてしまうようなところがあるんですね。(まー私が頼りないと思われている証拠かもしれませんが

 

最近はちょっとミスが重なったりしたこともあって特にその傾向に拍車がかかっていて、例えば先週金曜日に私が午前、ボスが午後に出張だったのですが、出張先に直行している運転中に電話がかかってきてどう考えても午後に帰ってから処理すれば良いようなことを聞いてきたり、午後に私が帰ってみればみたでその日彼が起こしたミスについて当日の夕方にはボスが帰ってくるにも関わらず会議中の時間にボスに電話で「報告」をしようとするわけです。(実際はボスが帰ってくる前に自分は体調不良で早退して結局その報告は私がすることになったんですけどね。

 

彼の声を聞いた瞬間に脳内でそれらの情報が直結してしまいまして。

いきなり不機嫌モードです(一応念のため、そうならないように最善の注意を尽くしてきたので、私の不機嫌な声は彼はあまり聞いたことが無いはずです。

「~さん、今お時間よろしいでしょうか?」

「あの、あと数十分で出勤する予定なんですけど、それからじゃダメなのかな?」

「ダメなんです。実は午後からの予定のお客さんが見えてまして」

(あ、60%の方か?

「いや、ボスに対応してもらえないの?」

「ボスが対応しまして、来客対応終わったので午後から出勤しなくても良くなったと伝えてください、ということだったのでお伝えしました。」

 

、、、、、、、、、、、

 

もうね、死んでしまいたくなるわけですよorz