「追い突っ込み」による「コラテラルダメージ」に関する観察例について。

以前信頼する同僚であるところの「姐さん」を紹介した。

 

ukkiemf.hatenablog.com

 

今回、職場で起こったドラマを紹介するに当たって改めて私の職場の仲間を紹介しよう。

私の右側に90度角度を違えて座っているのは「ボス」。50代半ばのベテランで私の上司だ。


「やむを得ない」を「やむぉーえまい」と言いにくそうに言ったりする面があるが、書類仕事に関してはなかなかの目利きでそもそも書類仕事に向いていない私の書類を真っ赤に添削してくれるありがたい存在だ。(ADHD持ちとしてはマジでありがたい。

眼の前に座っているのは4月からの同僚、「サワヤカ君」。
30代半ばのスポーツマン。ちなみに5月の連休明けに入籍したばかりの新婚さんだ。正社員である。

左隣にはあの「姐さん」。
サワヤカ君よりちょっと人生のベテランの2児の母。
パートさんながら正社員一人前以上の働きと気さくな人柄でまさに「姐さん」と呼ぶに相応しい職場内心理的ポジションを獲得している。

サワヤカ君の右隣、私の左向かいには、サワヤカ君より1月早い3月からの新参メンバーである「姉さん」。


バブル景気の盛りを社会人として経験している私より微妙に人生の先輩であり、それでいて衰えを感じさせない美貌の持ち主でもある。こちらも2児の母で中山道筋に店を構える老舗の奥方でもある。パートさんだ。


さて、「姉さん」はとある演技系の競技で全国レベルの選手だったというキャリアの持ち主で、その美貌もあいまってトーシューズに画鋲を入れる等の工作など弄さなくても自然にスクールカーストの頂点に立っていただろう人だ(と私は勝手に思っている。

正直、最下層民だった私としては彼女のキャリアを聞いた時点で警戒心を持って迎えざるをえなかったが、実はドジっ子属性を持っていたりする気さくで、そして性格の良い方だった。そもそも全国レベルの選手になれるぐらいの人だから「努力」する才能ももっているだろうし、社会性があるからこそ華やかな地位に居られるという面もあるだろうしね。

だが、一方で彼女には少々お嬢様気質なのかな、という一面もある。

 

ボスが理不尽な業務命令をだしたりするとあからさまにムスッとしたり(ま、私ならムッとするどころか喰ってかかるのでその影響かもしれないが(^_^;)、実は仕事のラインが私とは違うのだが私には判らない事を訊かれた際、「ごめんなさい、それは僕では答えられないな」と答えると涙目になっちゃったりしたことがあったりで、職場に溶け込むまではキチンとフォローしていかないとヤバイ気配があったりした。

そんなわけで彼女のラインの業務ソフトやメール環境の整備など、この4月ぐらいから私の手がけた業務改善と言えるようなものは本業では無い「姉さん」の仕事に付随する物だったりした。

そのラインに属する唯一の引き続き勤務している人であるボスが彼女が引き継ぎするまで前任者にお任せだったこともあり、結局姉さんをフォローしているうちに私が段々その業務に精通してしまい、5月辺りからは仕事の内容にも口出しするようになってしまったのはADHD的な情報の出入りに歯止めが利かない気質の弊害と言える。いかんなーと思いつつも会話が耳に入ってくると突っ込まずにはいられない。

同じく本来業務は私と同じラインの姐さんもベテランらしく姉さんのフォローには人一倍気を遣っている様子だった。


そんな皆の地道な努力の甲斐もあって、職場の空気は良好で、あまり共通する話題もなさそうな集団にも関わらずお昼休みには会話の花が咲くようになってきた。(ちなみにボスは昨年度から絶対その輪には入ってこないのだが、、、


今日のお昼は「腰痛になった姐さんの息子」の話しからスタート。

息子をサッカーの試合へ送迎するために高速に乗ったという話しの辺りから軸が「かつて自分がのっていた車」にシフトしていく。

ドジっ子属性がありながら車とドライブが大好きな姉さんが話しを引き継ぎリードしていく。

姉さんのリードで「自分の車」から話題は多少脱線して、「かつて名古屋の叔父さんに黒のセルシオを借りて名古屋高速を走っていたとき」なんてエピソードに。


「左車線でゆっくり走っていたんですけど、なぜか皆さん私の車を除けていくんですよね」

うん、突っ込み待ちですよね。

ところで私には「突っ込み嚥下不良」とも言うべき特性がありまして。
「隙」を見つけると突っ込まずにはいられないのです。

が、姉さんには例のちょっと気をつけてあげないといけない一面もある。無思慮な突っ込みは思わぬ反応を引き出すことにもなりかねない。

私は会話の流れの中で突っ込みのタイミングを逃さないよう、無い頭を必死にフル回転させて、姉さんに最大限の配慮をした(つもりの)突っ込みをいれた。

「いやー、姉さんみたいな美人さんがそんな車に乗っていたら、そりゃ見た人はいろんなドラマを想像しちゃうよね!」

我ながら際どい。が、その瞬間姉さんの意識が「美人さん」という言葉に囚われたのか、ナチュラルな笑顔が出ている。成功だ!と思った瞬間。

「姉さん、そりゃ『極妻』じゃないですか!」ハッハッハッハー(サワヤカに

という被せるようなサワヤカ君の追い突っ込みが、、、

 

努めて冷静さを保ちながらもさっとお手洗いに立ち上がってしまった姉さん。

揃って下を向いてしまった私と姐さん。

正直、そのあとサワヤカ君がどうしていたのか余り記憶がない。

ただ、これほど実感を伴って「コラテラルダメージ」という言葉が脳内にリフレインした瞬間はなかったと思う。

 

ネタとしてはファンタスティックなんだけどね(^_^;)